日常生活において、蛇口をひねって水が出るのは当たり前の光景です。ところが時には、水道のコックを開いた途端、異音が響くという現象にみまわれることもあります。
普段、音が生じることのない箇所から変な音がするというのは、考えただけでも気味が悪いものです。このような場合、何らかの水道のトラブルが想定されます。放っておくと、生活にもどのような支障が生じるか分かりません。今回は、このような時にどう対処すればよいかについて解説します。
目次
音の種類別の原因と修理方法
水道管から音がするといっても、蛇口をひねって締める間のことですから、些細な音なら気にならないという方もいるでしょう。ただし、水の流れが通常であれば、音がするというのは水回りか水道管の構造に何らかの異常が起こっていると考えるべきです。
水道から生じる異音は、「ブーン」あるいは「ガタガタ」といったように様々で、音の種類により、故障の状況が違ってきます。水道の異音は、部品の劣化か水漏れのサインと受け取って正しく対処する必要があります。一方で、異音がしても大して問題にならないケースもあります。
ここからは、これらの音の種類によって異なる原因と、音の種類別の修理・対策方法について解説していきます。
蛇口を開けるとブーン、ガタガタと振動する
蛇口を開いた時、「ブーン」や「ガタガタ」という、振動を伴う音が生じることがあります。
このような時に考えられる原因としては、パッキンの劣化や消耗が挙げられます。そうであれば、水栓コマのパッキンを交換すれば異音は解消されます。
コマパッキンは、蛇口に内蔵されているリング形状のゴム製の部品です。液体の漏れを防ぐために開発されたものですが、工学用語では「シール(密閉用部品)」と呼ばれています。パッキンはシールの一種類であり、ひねったり繰り返し開け閉めしたりするような部分に装着されます。
コマパッキンは金属部品を接続する部品で、経年劣化によりゴムが損傷してぼろぼろになります。これが劣化すると金属部品同士がこすれ合い、水を出した拍子に音が生じるのです。
このケースではコマパッキンを交換すれば済む話なので、ご自分の手で行うことも可能ですが、それなりの工具が必要になります。お手元にパッキンの交換に必要な工具があるか否か確認しておきましょう。またパッキンにも豊富なサイズがあるので、ご自宅の水道にぴったりとはまるパッキンを購入するようにしてください。
あらかじめパッキンの種類を把握しておくと、作業がスムーズに進みます。ここで、水道パッキンの種類について簡単にご説明しておきましょう。
平パッキン
穴あき硬貨のように平たくて輪の形状をしたパッキンを、「平パッキン」といいます。水道パッキンの中でも、スタンダードなタイプと言えるでしょう。給水管の接続部分に使われることが多く、市販のものは「給水管パッキン」などと、取り付ける箇所の名称がついています。
Oリング
その名の通り、「O」の形状をしたパッキンです。ドーナツのように丸く、平パッキンと違ってリング部の角が取れたものです。シャワーヘッドの根元部分をはじめ、様々な箇所に使用されています。
三角パッキン
一見すると他のパッキンと同様に円形状ですが、パッキンの断面が三角形なのでこの名称がつけられています。別名では「水栓ハンドル内パッキン」とか、「水栓上部パッキン」などと呼ばれることもあります。
パッキンの上下のどちらか一方がすぼんでおり、蛇口のハンドル下のナットにぴったりはまるように出来ています。三角パッキンを取り付ける時には、その真下に金属製の「パッキン受け」という部品を併用することが多いようです。
Uパッキン
これも円形状のパッキンですが、輪の上部に溝が彫られており、断面図がUの字の形をしているため、この名称がついています。主に、蛇口の水が出る「吐水口」の根元にはめられています。
キッチンシンクに取り付けられている吐水口は、右や左に首を振るように作られていますから、その回転を邪魔しないように、U字の溝が彫られているのです。Uパッキンは、「自在パイプ取付パッキン」とも呼ばれています。
コマパッキン(ケレップ)
水道のハンドルの下部には、「コマ」という部品が取り付けられています。コマは、おもちゃのコマと同じ形状をしています。水道のハンドルをひねると水が止まるのは、ネジのようにコマが回転しながら下降して、水の通り道をふさぐ仕組みになっているからです。
コマは、ゴム製のパッキン部分と、金属製の部品とが一体化しています。通常はコマパッキンと呼ばれていますが、「ケレップ」という別名もあります。
コマパッキンを交換するには、モンキーレンチとドライバーが必要です。
まずドライバーで、止水栓を締めます。次にハンドルの下にあるネジを、モンキーレンチで外してください。そして内部に備え付けられているコマパッキンを外し、新しい部品に交換します。そして各部品を戻してねじを締め、止水栓を開けば完了です。
どのような工具がいるのか、どのパッキンが必要か、ご自分では判断がつかないこともあるでしょう。そういう場合は無理に自力でパッキンの交換をしようとは思わずに、水回りの専門知識と技術を擁する業者に依頼してみると良いでしょう。業者であれば、パッキンの交換には精通しているでしょうから、安心して任せることができます。
蛇口を閉めるとゴンという衝撃音がある
蛇口を締めた時、壁や床の中から「ゴン」、あるいは「ドーン」という衝撃音が聞こえることがあります。こういった異音は、「ウォーターハンマー現象」と呼ばれ「水撃」とも称されます。いきなりこんな音が聞こえれば、驚いてしまう方も多いでしょう。この異音の原因は、水がパイプを流れる際に突然せき止められて、水道管の内部にぶつかるためです。
この現象が起こる環境としては、全自動洗濯機や食器洗浄機などが設置されていることが考えられます。これらの機械に内蔵されている自動給水装置は給水弁を一気に遮断してしまうため、急に水が止まってしまうのです。
これにより、ウォーターハンマー現象が引き起こされてしまいます。また、シングルレバー混合水栓も水を一瞬でせき止めてしまうので、同じ現象が起こります。
さらには、住居が水圧の高い地域にあったり、使用量が少ないために水圧が上昇する深夜帯であったりしても、ウォーターハンマー現象は起こり得ます。
この現象が繰り返されると、水がぶつかる衝撃で水道管の内部が損傷し、ひびが入ることがあります。ひびが入ると水漏れの原因となり、壁や床にカビが生えたり、シミができたりするので放置しておくわけにもいきません。これを防ぐには、元栓を少し締めて、水の勢いを弱めてみると良いでしょう。そして、蛇口を開閉する際はハンドルをゆっくり操作し、水流の勢いを削いでみるのも方法の一つです。
また、「圧力軽減装置」を内蔵した水道への交換や、今の水道に「水撃防止装置」を設置することもおすすめします。ただし、これらの装置の取り付けは素人には手に余るため、水道修理の専門業者に任せるようにしてください。
断水後に再度使用する際にゴボゴボという音がする
道路工事や水道の点検などで、断水が起こることはしばしばあるものです。断水が解除されて、蛇口をひねると不意に「ゴボゴボ」という異音が生じることがあります。この音は、断水時に排水管の中に空気が貯まってしまい、水が流れた時に空気が抜けることで起こります。
空気が全部抜けきってしまえば音は止まりますから、取り立てて修理が必要ということはありません。しかし時には、「ゴボゴボ」という異音が鳴りやまないこともありますので、その場合は注意してください。排水管から空気が抜ける際に衝撃が走り、パイプが設置場所から外れてしまったり、蛇口が故障してしまったりしていることもあるからです。いつまでも異音が静まらないのであれば、一旦蛇口を締めてから、再度ゆっくりと蛇口を開いてみてください。そのようにして、時間をかけて空気を抜くようにしてみてください。それでも異音がするようであれば、業者に相談をしましょう。
水道から異音がしたら故障のサインかも
蛇口を開閉した時に異音が生じるといっても、人によって音の感じ方が違うかもしれません。ある人には何でもないように聞こえても、別の人には耳障りで気になる音に聞こえてしまう場合もあるでしょう。また、先に解説したように「ガタガタ」や「ゴン」、あるいは「ゴボゴボ」というように、音の種類も実際のところ様々です。
水道の蛇口から聞こえる異音は、原因を見誤ると正しい対処方法を選択できないため、なかなか解消できません。たとえば、空気が抜ければ異音も解消すると思っていたら、実はコマパッキンの劣化が原因だったため変な音が止まなかった、というようなケースもあるでしょう。そうならないためにも、異音を正確に聞き分けて、原因が何であるかを見極めながら、正しい解決方法を導き出す必要があるのです。
そうは言っても、異音から正しい解決法を探るのは、素人には難しいものです。やはりそこは、水回りの専門家であるプロの見識にゆだねた方が安心できます。異音の現場をプロにみせて原因を見極めてもらうことが、水道管からの異音を解決する近道と言えるでしょう。
異音の原因調査はザットマンへご依頼ください
蛇口からの異音が気になったら、「ザットマン」に原因の追究をお任せください。業者に頼むとなると、現場を調査した上でのお見積もりの作成や、実際にかかる費用を心配する方もいらっしゃるでしょう。しかしザットマンなら、出張に伴うお見積もりの作成費用は無料ですので、お気軽にご相談ください。
水道の異音に気づいた時には、水回りの専門集団であるザットマンにご依頼くだされば早期に解決いたします。