小便器はそもそもつまりやすい
小便器のデメリットはつまりやすい構造をしているところです。普通の水洗便所では小をしたときも、大をしたときも、ある一定量の水を流します。エコ面から考えると勿体ないですが、その分、洗浄力は高く、勢いよく流せるでしょう。一方、小便器は、尿を流すのに丁度良い水量に抑える設計です。水を節約できるメリットがある反面、流す勢いは弱いため、つまりやすくなることを覚えておかなくてはならないでしょう。洋式便器などのように水がたまっていないので、流せる水の量は相当に少ないのです。
小便器は洋式便器のようにトイレットペーパーなどの固体を流すことを想定していません。液体である小便を流すのが目的です。洗浄力は低いので、ちょっとした異物が入り込むだけで、簡単につまってしまいます。小便以外のものが小便器に入り込んでしまうと、ほぼ確実につまるといっても過言ではありません。公衆便所の小便器に「ガムやゴミをいれないでください」と注意書きがあるのはそのためです。小便器は丁寧に扱い、常に清潔を心がけ、つまりをおこすようなものを排除することが重要になります。
つまりの原因その1:尿石
つまりの原因としてよくあるケースのひとつが尿石です。トイレの汚れで、こすってもなかなか落ちない汚れが付着していたら、それは尿石でしょう。尿石は飛び散った尿を放置した結果、尿が固まり発生します。尿には体から排出されたカルシウムが含まれているので、固まりやすいのです。尿は空気や水などの成分と結びつき、石のようになります。尿石が排水管に付着し、たまってしまうと、つまりの原因になるでしょう。きっちりと毎回流しているつもりでも、尿は思った以上に飛び跳ねているので、思わぬところにしぶきがたくさんついています。それらが時間をかけて増えていくのが怖いところです。
尿石は掃除してもなかなか取れず、すぐにまた次ができてしまうので、諦めてしまいがちです。少し見た目が悪くなるぐらいなら気にしない、という人もいるでしょう。しかし尿石は放置していると、細かい穴が大量に空き、尿を吸収してどんどん大きくなります。その結果、雑菌を繁殖させるリスクも発生するでしょう。雑菌が増殖すると、徐々に異臭が出てきますし、衛生上もよくありません。尿石を見つけたら、確実に掃除をする必要があります。
つまりの原因その2:異物
小便器のつまりの原因として異物の混入はとても多いです。よくあるのはティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの紙類をつまらせるケースでしょう。トイレットペーパーはトイレでの使用を想定していますので、水には溶けやすくなっています。本来であればそう簡単にはつまらないはずですが、小便器は洗浄力が高くありません。少量であれば、なんとかなるかもしれませんが、一度に大量のトイレットペーパーを使用すると溶けずに固まる可能性が高くなります。トイレットペーパーですら、つまる可能性があるので、普通のティッシュペーパーを使用すると、さらにリスクが上がります。
その他にも、マナーが悪い人が、タバコやガムを小便器に投げ込むことで、つまりを発生させるケースもあります。小便器は大便器より排水管が細いので、異物にはとても弱いです。その他にも、子どもがいたずらなどで、おもちゃを落とすことでつまることもあります。子供のおもちゃは小さいものが多いため、排水管につまりやすいです。不注意でハンカチを落とし、小便器がつまってしまうケースもときおり発生しています。また、異物が排水管につまってしまったのが原因で、尿石がたまりやすくなることもあるでしょう。こうなってしまうと、悪循環ですので、早急に対処しなくてはなりません。
小便器がつまったときの対処方法
小便器がつまったときに自分でできる対処方は主に3点です。まず、ラバーカップを使用する方法を紹介しましょう。ラバーカップとはゴム製の丸い形のカップが棒の先端に取り付けてあるものです。ラバーカップは、スッポン、パッコン、吸引機などさまざまな呼び名があります。トイレだけでなく、お風呂やキッチンで使用できるのも便利です。つまりが発生したとき、排水口に突っ込んで引っ張ることを繰りかえせば、大半のつまりは解消できるでしょう。とても使い勝手の良い道具ですので、トイレには常に置いておきたいです。
ラバーカップの値段はとても安く、ものによっては100円ショップで買えます。高いものでも3000円ぐらいでしょう。ホームセンターやインターネットショップで購入することも可能です。種類は和式トイレ用、洋式トイレ用があります。小便器の場合は、大きいものは使えません。突起があるタイプも適していませんので、和式用の小サイズを利用しましょう。よくわからない場合は、ホームセンターの店員さんに質問すれば問題ありません。
次に、尿石除去剤を使う方法です。つまりの原因が尿石なのであれば、尿石除去剤が適しています。尿石が固まり、排水管に張り付いてしまうと、ラバーカップで綺麗にするのは困難です。尿石除去剤は尿石と化学反応を起こし、尿石を除去することができます。効果は高いのですが、人体に悪影響をおよぼすこともありますので、使用するときは付着しないよう気をつけましょう。作業をする際には、マスクや手袋をするのは必須です。窓を開けて室内に充満しないよう、換気も十分におこないましょう。小さい子どもやペットがいる家庭では、尿石除去剤に近づけないよう気を配るのも忘れてはいけません。
尿石除去剤は医薬用外劇物として指定されている製品もあれば、そうではない製品もあります。医薬用外劇物に指定されているものを購入する際には、名前や住所などの個人情報を提出しなくてはなりません。医薬用外劇物に指定されているものは、効果が特に強く、値段はだいたい3000円前後です。医薬用外劇物に指定されていないものは、1000円ぐらいで買えるものもあります。
最後に、ワイヤードレンクリーナーを使用した除去方法を紹介します。ワイヤードレンクリーナーは物理的につまりを除去できるアイテムです。ブラシがワイヤーの先端についており、排水口から排水溝へ通すことで、つまりを解消します。使い方自体とてもシンプルです。ワイヤードレンクリーナーを差し込み、グリップをくるくると回す動作が基本になります。ただし、配管は入り組んでいる場合が多いため、つまりを効率良く解消するにはコツを習得しなくてはなりません。むやみに奥まで入れ過ぎると、奥で形状が変化してしまい、まわりを傷つける恐れがあります。ワイヤードレンクリーナーの種類は一般向けから、プロ用までバリエーションは豊富です。値段もばらつきがあり、比較的高価なものが多いといえるでしょう。ほかの解消法に比べるとハードルは高いです。
小便器の適切なメンテナンス
小便器は日頃から掃除をするのは当然として、定期なメンテナンスもおこなうようにしましょう。普段から掃除をこまめにしておけば、尿石や異物はたまりにくいはずです。また、老朽化した部品などを適宜、交換するとつまりを予防できるでしょう。メンテナンスは自分でできることもたくさんありますが、トラブル発生時は慎重に行動しなくてはなりません。
小便器がつまったとき、簡単に直せるのなら自分でやるのは悪くありません。しかし、無理はしないようにしましょう。判断を間違ってしまうと、小便器を傷つけたり、排水管を傷つけたりする場合もあります。無理やり直そうとして、余計に事態が悪化するのはよくある話です。異物が奥につまっているときなど、解消が難しい状況では、業者に依頼するようにしましょう。業者であれば、トラブル発生の根本的な原因をつきとめてくれるので、つまりの再発を防ぐメンテナンスをしてくれます。
水道業者を探す際にはタウンページなどで探す方法がありますが、はじめて依頼するときには、どんな業者なのかわからないので不安も多いでしょう。そのようなときは、各自治体に登録されている指定給水装置工事事業者に依頼すると安心です。ここに登録されている業者は自治体が認めている業者のみですので、失敗のリスクはほぼありません。指定給水装置工事事業者は自治体のホームページや機関誌、各自治体の上下水道課に問い合わせをすれば確認できるでしょう。トラブルが発生したときだけでなく、業者には定期的なメンテナンスを依頼した方が良いです。問題が軽微なうちに見つかれば、修理費は安くすみます。
排水管の交換も考えよう
トイレの排水管には寿命があります。いくら丁寧に使用し、メンテナンスをしていてもダメになる日はくるのです。環境によって差は出ますが、年に1回メンテナンスをしていたとしても、20年以上使用しているなら交換を検討した方がよい時期でしょう。それ以上放置すると、バクテリアが大量に発生したり、赤錆が積み重なったり、深刻な状態になる場合があります。大工事になると費用が高くつきますので、早い段階で小型カメラを挿入し、検査を行ってみましょう。配管の素材よって、寿命が異なることも覚えおくとよいです。配管の素材が塩ビ管であれば、30年程度、鋳鉄管であれば40年程度持つ場合もあるでしょう。
ザットマンであれば、小便器の排水管をすぐに交換できます。ザットマンは水まわりに関するトラブル解決のプロフェッショナルです。ただ修理をするだけでなく、トラブルが再発しないための徹底的な調査を実施します。仕事はとても丁寧で、修正形跡をほとんど残さないのがポリシーです。自分で解決するのが難しいと感じたら、早い段階でザットマンに相談するようにしましょう。