下水のつまりの原因はなに?対処方法や掃除のやり方について解説!

下水のつまりへの対処法!業者に修理を依頼する費用は?

つまり修理と料金表

下水がつまると、水が逆流したり、悪臭が室内に充満したりとさまざまな影響が出ます。つまった場合、そのまま放置してしまうと状況がどんどん悪化していくため、適切な対処が必要です。対処を間違うと、トイレが壊れてしまったり、家全体に悪影響が出たりする可能性があります。
自分でつまりへ対処するのが難しければ、業者に頼むのも1つの方法です。ここでは、下水のつまりとはそもそもどういうものなのか、場所ごとの症状と対策、下水つまりの修理をするために必要な費用感について紹介します。

下水のつまりとは

下水がつまるというのは、汚水桝(おすいます)がつまった状態です。トイレや浴室、キッチンなど水回りから排出される生活水や汚水は、床下にある下水管を通って汚水桝へと運ばれていきます。下水管は、一般的に蛇腹ホースやS字トラップ管などが使われており、浴室やキッチンなどの生活雑排水管は4~5cm、トイレなどの汚水管は7~10cm程度の太きさです。
これらすべての配水管を密封状態にしてつなぐと、排水管にゴミや泥がつまったときに、地面を掘り返して排水管を取り出し、掃除をしたり点検をしたりする必要があります。その解決策として設置されているのが、汚水桝です。

汚水桝は、下水管が曲がっている部分や合流部分、勾配が変化する部分に設置されます。つまり、ゴミや泥が溜まりやすい場所に設置されているのです。上部には蓋がついているため、蓋を開けるだけでゴミが溜まっているかどうかを確認することができます。この汚水桝がつまることで、下水のつまりが発生するのです。

下水がつまったときの兆候を知っておこう!

一番判断しやすいのは「音」です。水を流したときに「ポコポコ」と変な水音がする場合は、要注意です。下水管の一部がスムーズに流れなくなると、下水管の中の空気が上部へと押し上げられます。下部からの空気圧によって排水溝に溜まった水が上下に動き、空気の抜ける隙間からポコポコ音がするのです。



特にトイレに関しては、音が便器の下から聞こえる場合があります。このようなときは下水がつまる前兆なので、放っておくと完全につまります。また、音はしないものの、次第に水位が上昇しているのもつまりの兆候です。実際に排泄物やトイレットペーパーが流れにくくなってきます。まずは水位の変化を見守り、次第に水位が下がるのであれば、水が流れる隙間が少しあることがわかります。水位に変化がなければ、完全につまっています。
また、敷地内の汚水桝から水があふれ出ている場合も、下水がつまったサインです。汚水桝から汚水があふれるということは、排水口から水を流すことができても、下水管へと排出されていないということです。

下水がつまる主な原因・対策を紹介

下水がつまった時の原因や対策は場所によって異なります。ここではそれぞれの場所でどんなものがつまりの原因となるか、どのように対策できるかをご紹介します。

台所

台所で下水が詰まる原因は主に2点です。

油分、脂分

台所で食べ終わった食器を洗った際の、ドレッシングや汁物が原因で詰まるケースです。
食べ残し、飲み残しの油分や脂分に、野菜などの食材ゴミやパッケージなどの切りくずなどが絡まり、つまりを引き起こします。食器や調理器具についた油分や脂分を意識せず洗い流してしまい、気がつくと下水管へと流れていることがほとんどです。

つまらないようにするためには、なるべく油分や脂分を流さないよう注意することが重要です。食器などについた油は、ペーパータオルで拭き取ってから洗うと、流れる油分の量が減ります。ドレッシングや汁物など、拭き取るのが難しいものは、三角コーナーなどに1度流すことで、絡みついた細かい食材ゴミを排水口に流さずにすみます。
また、肉や魚を茹でた後の汁は、脂が浮いているため、流した後に鍋に数杯分のお湯を排水口に流しましょう。こうすることで、下水管に残る油分や脂分を少なくすることができます。揚げ物などの油は、固めたり新聞紙に染み込ませたりして捨て、排水口には流さないようにしましょう。

食材ゴミ

大きなサイズの食材ゴミは、排水口のトラップによって流れるのを防ぐことができます。しかし、細かい食材ゴミはトラップを通過して下水管へと流れていきます。細かいゴミでも油分や脂分と混じれば大きな塊となり、つまりの原因となってしまうのです。

対策法としては、どんな細かいものでも必ず三角コーナーなどで受けてから流すことです。排水口のゴミ受けや細かいネットを使うことで、食材ゴミが下水管に流れるのを防ぐようにしましょう。流れが悪くなったからといって、排水口のゴミ受けやトラップの蓋を外してしまうと、食材ゴミだけでなくパッケージや調味料などの蓋、箸やスプーン、フォークなどの食器までもが流れてしまう可能性があります。
そのため、必ずゴミ受けや蓋を装着した状態で、洗い物をするようにしましょう。

トイレ

トイレで下水が詰まる原因には以下のものがあります。

流しすぎ

排泄物が多いときや固いとき、トイレットペーパーをたくさん使った時などは数回にわけて流すことで、下水つまりの予防になります。お掃除シートや流せるおしりふきなど、一般的に流せるようなシート系の商品の利用時にも、たくさん流すと詰まらせる原因になるので一枚ずつ流しましょう。

異物を流す

トイレに流せるのは、基本的に水に溶けるトイレットペーパーのみです。もしトイレットペーパーがなかったとしても、ティッシュを流すのは避けましょう。
また、スマートフォンやアクセサリーなどを流してしまうことで、トイレに物を落として詰まらせるケースもあります。小さい子どもがいる家庭では、クレヨンやおもちゃなどトイレットペーパー以外のものをトイレに落とす場合もあるため、トイレを遊び場にしないよう気を付けることも大切です。

最も有効なつまり予防は、トイレットペーパーと排泄物以外を流さないようにすることです。さらに、トイレットペーパーも一度に流すのはなるべく少量にし、どうしてもたくさん流したいのであれば、数回にわけて流すなど工夫しましょう。トイレットペーパーは、水に溶けやすいものを選ぶとより効果的です。さらに、月に1度のペースでトイレ内をしっかり掃除することも大切です。真空式のパイプクリーナーやラバーカップを使えば、高い洗浄効果が期待できます。

お風呂

お風呂での下水つまりは、主に以下の3つになります。

髪の毛

ほとんどの原因が「髪の毛」です。そのため、髪の毛を直接流さないよう気を付ける必要があります。もし排水口にヘアキャッチャーが設置されていない場合は、市販のヘアキャッチャーを取り付けましょう。下水に流れる髪の毛を大幅に減少することでつまりを予防することができます。
市販のヘアキャッチャーの中でも、塩化ビニル製のものは自宅の排水口に合わせて切れるので便利です。ユニットバスの場合は、浴槽内でシャワーをしたり、浴槽内の排水口にヘアキャッチャーをかぶせたりするとよいでしょう。

また、シートタイプのヘアキャッチャーもあります。排水口の目皿に貼るタイプで、使い捨てです。丸や四角などがあり、排水口の形に合わせて選ぶことができます。ヘアキャッチャーを装着しない場合には、排水トラップを定期的に掃除するとよいでしょう。

油分

シャンプーやコンディショナーの「油分」もつまりの原因になります。特に、粘度の高いものは油脂の配合量が高く、下水管に付着して残りやすいです。そのため、使用後にはお湯を多めに流し、下水管になるべく残らないようにしましょう。

隙間につまった汚物

また、汚水桝が古くなっていると、下水管と汚水桝との境目が割れたり、段差や隙間ができたりしている可能性があります。このような場合、汚物がそこで詰まってあふれてしまうことがあるのです。そのため、定期的に汚水桝の蓋を開け、中の状態を確認しておくと安心です。

下水がつまったときの対処法

①薬品でつまりを除去する

下水つまり用の薬品は、プロ用と家庭用の2種類があります。プロ用のつまり用薬品は、家庭用よりも濃度が高く、強力な効果が期待できます。つまり改善だけでなく、つまり予防やにおい対策にも有効です。効果が高いぶん、取り扱い方法に注意が必要です。手袋やマスク、ゴーグルを必ず装着し、換気に気を付けましょう。取り扱い方法を間違えると、命にかかわる事故につながる恐れがあります。

プロ用でも家庭用でも、下水つまり用の薬品を選ぶ際には、使用場所に適したものを選びましょう。適していない場所に使用すると、下水管が傷んでしまう可能性があります。また、薬剤の発熱によって汚れを浮かせるタイプの薬品は、パイプを破損するリスクもあるため、必ず使用上の注意事項を読んでから使いましょう。薬品の効果がどのくらいあるかは、水酸化ナトリウムという洗浄成分の濃度に比例することが多いです。
そのため、つまりの度合いに応じて適した濃度の薬品を選ぶようにしましょう。つまり予防には、水酸化ナトリウム濃度が1%以下の薬品、つまり解消には1~2%の薬品を選びます。

下水つまり用の薬品は、液体タイプと粉末タイプがあります。つまり予防など日常的なお手入れには、粘度が低くサラサラしたものを使うとよいでしょう。汚れやつまりが気になる場合には、粘度が高いジェルタイプが向いています。長時間汚れやつまりに留まり、溶かす効果が期待できます。
粉末タイプは、水と反応して発泡し、泡がつまりを解消する仕組みです。業務用の薬品に多く、洗浄効果が高いのが特徴です。また、成分にも着目して選びましょう。多くの場合、漂白剤と似ている「次亜塩素酸」という成分が含まれています。特に海外製の薬品は次亜塩素酸が強く、浄化槽を傷める可能性が高いため注意が必要です。
さらに、次亜塩素酸はほかの洗剤と混ぜると危険で重大な事故につながることもあるため、専門業者に依頼したほうが安全で確実につまりが解消されます。

②真空式家庭用パイプクリーナーでつまりを除去する

真空式家庭用パイプクリーナーは、ラバーカップと同じ原理でつまりを解消する道具です。ラバーカップに比べると、吸引力や圧力が高いため、下水つまりを解消する可能性が高いといえます。インターネットやホームセンターなどで入手することができ、3,000円前後が相場です。ハンドルと胴体、ゴム製のカップで構成されており、排水口にカップを押し当ててハンドルを上下させます。そうすることで、吸引と圧力が交互にかかり、つまりの原因である異物を流したり便器に引き戻したりできるのです。

真空式家庭用パイプクリーナーは、トイレットペーパーや排泄物、水に流せるティッシュなど、水に溶ける性質のものがつまった場合に有効です。水に溶けない固形物などがつまった場合に使用すると、排水管の奥へと押し込めてしまい、余計につまったり自力で取り除けなくなったりするリスクがあります。その場合、専門業者に依頼することになり、余分な料金がかかってしまうケースもあります。このようなリスクを避けるためにも、専門業者に最初から依頼するほうが無難です。

③家庭用高圧洗浄機でつまりを除去する

薬品や真空式家庭用パイプクリーナーでも下水つまりが解消しない場合は、排水管の奥でつまっている可能性があります。このような場合は、家庭用高圧洗浄機が役立ちます。家庭用高圧洗浄機は、ホームセンターなどで購入可能です。先端に排水管清掃用のホースを取り付けることで、下水つまりに活用することができます。
水圧によって、つまりの原因となっている異物を押し流す方法です。高圧洗浄機は、薬品に比べると効率よく短時間でつまりを解消することができます。つまり具合にもよりますが、1~3時間ほどで作業が終わります。

家庭用高圧洗浄機を使う場合、排水管の奥までホースを挿入しなくてはなりません。そのため、素人が行うと排水管の破損など、取り返しのつかない事態を招く可能性があるのです。また、水を噴射して掃除をするため、汚水が跳ね返ってきます。トイレが汚れないよう養生をして作業を行う必要があります。これも高度な技術が必要な方法であるため、プロの業者に頼むようにしましょう。


汚水桝のつまりを除去する方法

①つまっている場所を確認する

まずはつまっている汚水桝よりも、下流の桝を探して開けてみましょう。道路と敷地の境目には、公設桝があります。汚水桝の中のゴミを、棒などでかき回しても流れがよくならない場合は、汚水桝とその下流にある公設桝の間がつまっている可能性があります。
汚水桝の蓋には「おすい」と表示されていて、多くの場合は硬質塩化ビニル製の蓋が使われています。蓋には2カ所の細い隙間があり、マイナスドライバーを挿し込むと開けることが可能です。1カ所ずつ蓋を持ち上げましょう。

2カ所穴が開いているタイプの蓋は、専用の工具を使って開けなければなりません。蓋と同じメーカーが販売している工具はもちろん、市販の排水口レンチでも代用可能です。工具を穴に差し込み、半時計回りに回すことで開けることができます。鉄でできている蓋は、マンホールフックを使うと簡単に開けることができます。ただし、長期間蓋を開けていないと、小石や砂が隙間につまり、なかなか開けることができません。

②異物を除去する

つまっている桝を確認したら、異物を除去しましょう。まず、つまっていない桝に上流から異物が入らないよう遮るものを置くなどの処置をします。次に、つまっている桝の下流側から棒などでつつき、つまりの原因となっている異物を流します。棒でつついてもつまりがとれなければ、ビニール管で下流側からつつき、異物を流します。
もしつついても異物が除去できない場合は、桝や配管の障害がつまりの原因になっている可能性が高いです。このような場合、つまっている桝の最下流の桝をチェックしてみましょう。インバートの破損やざらつき、木の根が桝内に入り込んでいないかなどを調べます。また、桝とパイプの接合部に穴が開いたり、つまりがないのにインバートに水が溜まったりしていることもあります。こういった症状が1つでもあれば、個人で解消するのは難しいため、専門業者に依頼しましょう。

下水がつまるとどうなる?家全体に及ぼす悪影響とは

つまってしまった下水を放置しておくと、家全体にさまざまな悪影響を及ぼします。

  • ・排水溝からの溢水
  • ・健康被害、悪臭
  • ・水回りの機器の故障
  • ・被害の拡大
最初に起こるのが、排水溝からの溢水です。異物が排水溝をふさいでいるため、水が排出されない状態です。そのため、使い続けることで排水溝内の空気が上昇し、汚水が逆流してきます。
逆流してきた汚水は雑菌が多く含まれています。そのため、体内に入ると病気になる危険があります。悪臭も伴うため、対策するためには水の元栓を全て閉めなくてはなりません。その結果、トイレやキッチンなどの水回りがすべて使えなくなってしまいます。

汚水があふれてしまうと、トイレやお風呂そのものが故障する心配もあります。特にトイレは、便器の電気系統が水と接触すると、故障する可能性があります。故障すると、修理費がかかり、つまりを直す費用よりも高くつくかもしれません。
マンションの場合、下の部屋に汚水が漏れてしまい、賠償金を支払うことになるケースもあります。つまっているにも関わらず、無理やり水を流してしまうと、つまりの原因である異物が一層奥に入り込み、症状が悪化するかもしれません。場合によっては、下水管が破裂して使えなくなることもあります。加入している火災保険などによっては、水漏れによる被害をカバーすることができますが、つまりを放置したことによる事故は、保険の適用外になる可能性が高いため、注意が必要です。

汚水桝を定期的に掃除する方法

まず汚水桝の蓋を開け、中に溜まっている汚物や泥などをスコップで取り出します。長期間お手入れをしていない場合は、ゴミなどが固まっていることがあります。このような場合は、ドライバーなどでそぎ落とし、きれいにしましょう。
次に、汚水桝の中を洗います。配管が傷つかないように、柔らかいスポンジを使うと安心です。必ずトイレの配管である水上から、浄化槽である水下の順で行うようにしましょう。
最後に、水上から水下に向かって水を流し、蓋を閉めて完了です。
トイレの汚水桝を掃除する際には、キッチンや浴室、雨水用など敷地内の汚水桝も同時に掃除すると効率的です。特に、キッチンの排水桝はつまりやすいため、時間がない場合はトイレとキッチンだけでもしておきましょう。

自分でつまりに対処するときの注意点

自分でつまりに対処するときの注意点

汚水桝などに蓄積した下水からは、悪臭が発生します。そのため、なるべく下水が付着したり体内に入ったりしないよう、気を付けましょう。作業着など汚れてもよい服装に加え、マスクやゴム手袋などでしっかり防ぐようにします。
もしも沈殿物などがついてしまった場合は、部分洗いをしてから洗濯するとよいでしょう。高圧洗浄機など、専門業者が扱う道具を素人が使用してつまりを解消しようとすると、周囲に沈殿物やゴミなどが飛び散ったり、下水管を痛めたりするリスクがあります。そのため、下水のつまりは専門業者に依頼するのが理想的です。

対処できそうになければ専門業者へ依頼しよう

つまりの除去作業を自分でやると、下水管を薬品や機材などで傷つけてしまうこともあります。自分で対処するのが難しい場合は、迷わずに専門業者へ相談するようにしましょう。

業者に頼むと軽中度のつまりだと1万5,000~5万円程度、重いつまりだと5~10万円程度でつまりを除去してくれます。また、排水管の長さによって使用する機材が変わるため、金額は異なります。例えば、排水管が3m未満だと、基本料金4,000円作業費1,500円合計1万9,000円となります。3m以上になると、1mごとに作業費が2,000円追加されます。

排水管のつまりでお困りであれば、ぜひ一度ザットマンにお問合せください。ザットマンでは、出張料やお見積り料は無料で対応いたします。水回りでお困りごとがあればお気軽にご相談ください。

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