汚泥処理の方法について解説!業者に頼んだ場合の費用の相場もご紹介!

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汚泥とは産業廃棄物の1つで、日本で発生する産業廃棄物の約4割を占めています。汚泥には決まった処理方法があり、それには費用もかかるので、汚泥が生じる事業を行なっている場合は処理方法と費用目安をしてておくと安心です。

今回は、汚泥の基礎知識や処理方法、汚泥処理の仕組みや費用について解説します。

汚泥とは

汚泥とは事業活動によって生じるする汚れた泥のことです。色々なものが混ざった汚いドロというとイメージしやすいかもしれません。

工場排水などを処理したときや、製造業で製品を作る工程によって発生するドロ状のものです。日本では事業活動に伴いさまざまな産業廃棄物が発生しますが、汚泥は産業廃棄物のなかでも高い発生割合で、年間に約1億7,611万トン発生していると言われています。これは産業廃棄物全体の43.6%を占める割合です。

汚泥には2種類あります。1つが有機性汚泥、もう1つが無機性汚泥です。法律上は有機性汚泥と無機性汚泥を明確に分類していませんが、違いは把握しておきましょう。どういった性質の汚泥を受け入れて処理するかは、処理を行う業者によって異なります。

有機性汚泥

有機性汚泥はそのまま放置すると、有機物が腐敗し、悪臭を放ったり病原菌の発生源になったりします。そのため法律で産業廃棄物として処理することが定められています。

代表的な有機性汚泥は次の通りです。

  • ・パルプの廃液から発生する汚泥
  • ・し尿などを含むものを除いたビルピット汚泥
  • ・生活排水から生じる活性汚泥
  • ・食品工場から生じる食品排水による汚泥
  • ・活性汚泥法による処理によって発生する汚泥

有機性汚泥

一方、無機性汚泥とは無機質で汚染された汚泥で、再利用できる資源を含むこともあります。

代表的な有機性汚泥は次の通りです。

  • ・珪藻土カス
  • ・廃白土
  • ・鉄鋼排水
  • ・集塵排水
  • ・機械工場排水

汚泥はどのように収集するの?

汚泥は専門業者によって収集され、トラックや船に積み込み、最終的に産業廃棄物処理場に届けられます。業者が汚泥が排出される場所に行って収集するのですが、場所によっては通常のトラックが入れないこともあるため、業者と相談して進入可能なトラックを用意しなければなりません。現場によって、ダンパー車・着脱式コンテナ車・バキュームカー・パワーゲート車・ユニック車などを使用します。

例えば、グリストラップに溜まった液状汚泥を収取するときは、バキューム車のタンク内を真空状態にして、一気に吸引して収集します。また土砂や落ち葉などの固形物を含む雨水の場合は、バキュームの力だけでは吸引できないためブロアの風力をプラスしたダンプ車での収集をするのが一般的です。

車両がどうしても進入できない場所の場合は、一旦ドラム缶に汚泥を収集してから産業廃棄物処理場に運ばれます。汚泥はさまざまな場所で発生しますので、その発生場所に合った方法で収集する必要があるのです。

収集は原則的に廃棄物の保管を含んでいないため、排出場所で回収した汚泥は処分場に直行しなければなりません。汚泥を収集して運べる業者は産業廃棄物収集運搬業と分類され、自治体から許可を得た業者だけが収集と運搬をすることができます。

汚泥処理の仕組み

収集された汚泥を処理する仕組みを解説していきます。

基本的な汚泥処理の仕組み

1. 汚泥を濃縮する

集められた汚泥は種類によって最初沈殿池と最終沈殿池に入れられ、さらに時間を置いて最終沈澱池で沈澱した汚泥は遠心濃縮機という機械に入れられます。ある程度沈澱すると延伸濃縮機という機械を使って、水分を飛ばして汚泥の濃度を高めます。水分が抜けた汚泥と最初沈澱池で集められた汚泥はここで混ぜられるのです。

濃縮処理する前の汚泥の約99%は水分です。この濃縮のプロセスを経て水分を飛ばしますが、飛ばした後の水分量は96〜97%と言われています。数字上はあまり水分が減っていないように感じますが、汚泥の水分量を1%減らすだけでも汚泥の重量は半分になるのです。

濃縮方法は、遠心力をかける以外にも、さらに長時間放置させて重力の力で濃縮させる方法や、汚泥に微細気泡などをつけて浮上させることで濃縮させる方法などがあります。

2. 汚泥消化タンクに入れる

脱水状態になった汚泥と最初沈澱池で集められた汚泥は、汚泥消化タンクに入れられます。消化タンクはメタン発酵や酸生成や加水分解金などの効果で汚泥を分解する機械です。このプロセスを経ることで、汚泥を減容化・安定化させることができます。

このプロセスは長時間にはなりますが、内容としてはタンク内を38℃で温め続けるだけなので、比較的管理が簡単な工程です。この処理で汚泥から発生したメタンガスなどを取り出すと、汚泥は消化汚泥となります。

この時に発生したメタンガスは火をつけると燃えるため、発電機を使って発電が可能なのでメタンガスを回収する目的でこのプロセスを行うこともあるようです。

3. 汚泥脱水機に入れる

メタンガスなどを取りだした消化汚泥は、汚泥脱水機に入れるプロセスです。汚泥脱水機にはベルトプレス脱水機・加圧脱水機・真空脱水機・遠心脱水機・高効率直接脱水法、電気浸透式脱水機などさまざまな種類があります。

その後の工程によってはこの脱水の段階で薬品を加えることもあるのですが、薬品を加えることによって脱水性をより高めることもあるようです。

ただ不用意に薬品を加えすぎることがよくなかったり高コストになってしまたったりすることもあるため、近年では見直されています。脱水する水分量は調整することができますが、埋め立てをする場合は水分量を85%以下にしなければなりません。

水分がなくなった汚泥は布に挟まれて圧をかけて搾られ、脱水ケーキと呼ばれる状態になり、ケーキ貯蔵ホッパーというところに貯められます。脱水ケーキは脱水汚泥とも呼ばれます。

4. さらに乾燥させる

熱風や蒸気などに晒して脱水ケーキをさらに乾燥させ、乾燥汚泥にします。最初のプロセスを経る前の汚泥の水分含有率は99%でしたが、乾燥汚泥にする頃には水分含有率は50%前後です。

乾燥汚泥にすると、肥料やバイオマス燃料、緑地還元などに使用できます。熱風を使う方法でも蒸気を使う方法でも熱が必要となりますが、最近は汚泥の処理工程で生まれるエネルギーを使うこともあるようです。

乾燥汚泥にする際は臭気が発生することもありますが、臭気対策用の設備が設置されています。また一部の再利用方法では、乾燥汚泥を脱水処理するケースもあります。

5. 焼却処理

汚泥を焼却することで無機性にし、その量も減らすことができます。一般的には埋立処理を行うためのプロセスです。

ただ汚泥の種類によっては、焼却後の物質を使う目的で焼却されることもあります。焼却炉の種類はさまざまですが、最も多いのは流動床炉で、排ガスの臭気対策が必要なかったり、維持管理が比較的簡単だったりするのがメリットです。

焼却処理は一酸化二窒素を発生します。これは温室効果ガスの一種です。一酸化二窒素は二酸化炭素の300倍あると言われているため、排出量を削減する対策をしなければなりません。焼却時に発生する熱を利用して発電することもあります。

6. 埋め立てる

再利用できなかった汚泥は産業廃棄物として最終処分場で埋め立てられます。埋立処理できるのは安定型処分場・遮断型処分場・管理型処分場の3つです。

埋立方法は汚泥やゴミを固めた上に覆土を被せるサンドイッチ方式、汚泥やゴミを殻状に固めて覆土を被せるセル方式、長方形の穴を掘った場所に焼却した汚泥の灰や他のゴミを埋め立てていく額縁方式などがあります。

脱水ケーキの状態で埋め立てる際にはサンドイッチ方式かセル方式、焼却後の灰となった汚泥は額縁方式で埋め立てられることが多いです。ただ近年は再利用のための加工技術が発達していることもあり、最終処分場の数は年々減少しています。

その他の汚泥処理

基本的な汚泥処理で紹介した以外には、二次廃棄物の発生しないセメント減量化、溶解温度異常で加熱して汚泥の量を減らす溶解、燃えかすや無機性汚泥を混合して骨材などとして使用する造粒固化、油分を含む鉱物潤滑油汚泥から水分を分離させて油pwp分を再生重油とする油水分離などもあります。

どういった汚泥かで再生利用の方法も異なるため、汚泥に合わせた処理で有効活用するのです。

汚泥処理にかかる費用

汚泥処理には、処理料金と収集・運搬費用がかかります。

汚泥処理にかかる料金はエリアによっても差がある

汚泥処理の料金相場の全国平均は1kgあたり15〜26円程度です。ただ汚泥処理にかかる料金はエリアによって異なります。以下がエリアごとの相場です。

  • ・北海道:16円~27円
  • ・東北エリア:15円~25円
  • ・関東エリア:19円~30円
  • ・甲信越エリア:14円~26円
  • ・北陸エリア:14円~26円
  • ・東海エリア:15円~26円
  • ・関西エリア:16円~27円
  • ・中国・四国エリア:15円~26円
  • ・九州エリア:14円~25円

料金に開きがあるのは、汚泥といってもさまざまな種類の汚泥があるからです。処理のプロセスが複雑な汚泥になると当然料金は高くなります。

収集・運搬費用は業者に要問い合わせ

収集や運搬にかかる費用は、収集場所から処分場までの距離や作業の複雑さ、積み込み作業の有無によって異なります。収集・運搬する汚泥が多ければ大きいほどトラックが大きくなるため、料金が高くなるのが一般的です。

また、場所によっては特別な作業車を使用しなければならないこともあり、それによって料金が異なります。どういった汚泥をどの場所でどれくらいの量収集してもらいたいかを明確にして、業者に相談しましょう。

まとめ

汚泥は産業廃棄物ですから、正しい方法で処理しなければなりません。同じ汚泥でも発生した場所や汚泥に含まれるものによって処理方法や料金が異なるため、収集・処理をしてくれる業者を探すときは、いくつかの業者に依頼して平均的な料金を見極めるといいでしょう。

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