洗顔や歯磨き、手洗い、うがいなど、朝から晩まで活用する「洗面所」。髪の毛やゴミなどが流されることも多いため、家の中でも比較的つまりが起きやすい場所でもあります。洗面所の排水溝が何度も詰まると、ついイライラしてしまう人も多いのではないでしょうか。
実は、洗面所で起こるつまりは日ごろの使い方やメンテナンス次第で予防できるケースもあるのです。今回は、洗面台のつまりを予防する方法をはじめ、つまったときの対処法などを紹介していきます。
目次
洗面台がつまる主な要因
使用頻度の高い洗面台は、日常の何気ない行動がつまりの原因になってしまうことが多くあります。
髪の毛
主な要因としてまず挙げられるのが髪の毛です。洗面台にパラパラと落ちた髪の毛を、無意識に洗い流している人も多いのではないでしょうか。1本1本は非常に細い髪の毛ですが、それが何百本も蓄積すれば管内や洗面台の排水口をふさいでつまりを引き起こします。
洗面台でシャンプーをしたり寝ぐせを直そうとして濡らしたりしている人は、特に髪の毛が流れやすいので注意しましょう。多くの人は毎朝洗面所でヘアセットをすると思いますが、いつの間にか抜けていることも多いので、気づいたときにこまめに除去する必要があります。
ぬめり
ぬめりは洗面所で石鹸やハンドソープ、クレンジングオイル、粘度のある化粧品などが洗面台に残り続けると発生します。それ自体がつまりを引き起こすことはあまりありませんが、粘性があるため、髪の毛や汚れなどを引き寄せる原因となります。ぬめりに集められた固形物によって、洗面台の水の流れが止まってしまうのです。
水あか
水あかとは、水道水の中に含まれるミネラル分が結晶となって固形化したもので、水を扱う洗面所では避けて通れない汚れです。ぬめりと同様に、排水管や髪の毛の隙間に付着して洗面台の水の流れを止めてしまいます。
固形物
洗面台で指輪を外してついうっかり…のような経験は誰にでも一度はあるのではないでしょうか。小さいアクセサリーであればそのまま流れてしまうこともありますが、ヘアピンやヘアゴム、歯磨き粉のキャップなど大きいものであればすぐに排水管がつまってしまいます。
また、石鹸が小さくなったところでつい流してしまった、体調が悪く洗面台で吐いてしまった、というような場合も、つまりの原因になります。
洗面台でつまりやすい場所は?
洗面台には、構造的につまりやすい場所というものがあります。
ヘアキャッチャー
一番わかりやすいのが、排水口に取り付けられていることの多い「ゴミ受け」です。よくヘアキャッチャーと呼ばれる部品で、目に見えるように設置されている場合もあれば、フタや栓で覆われている場合もあります。網目状のパーツがはめ込まれていて、洗面台から流された髪の毛やゴミなどをキャッチしてくれる役割を持っていますが、その分つまりやすくもあります。
フタなどで覆われているタイプだと、どれくらいたまっているか見えにくいため、気づいたらたまっていて髪の毛でふさがっていたというケースも珍しくありません。洗面台を使った後は、定期的にごみを取り除きましょう。
S字トラップ
ヘアキャッチャーの次につまりやすいのが、洗面台の下にある「S字トラップ」です。洗面台から伸びる排水管は2度カーブしており、形状的にS字に見えるためこのように呼ばれています。カーブがあることで、排水管の中に常に一定量の水が留まり、下水管と室内の空気がダイレクトにつながるのを防ぎ、排水管を伝ってくる下水の臭いをシャットアウトしています。
ただ、カーブ部分に髪の毛や固形物が留まりやすいため、知らず知らずのうちにつまりの発生源になってしまうのです。
排水管
S字トラップから下に伸びている「排水管」がつまるケースもあります。S字トラップなどはサビを防ぐために樹脂やステンレスでできているものもありますが、排水管は鉄や塩化ビニルが使用されることが大半です。
鉄は長年使用しているとサビが発生しやすく、サビがひどくなれば排水管を狭めてしまうこともあります。普段洗面所を使っていると見えない部分ではありますが、髪の毛やゴミなどが排水管まで流れてしまうと、排水管内部でつまりやすくなってしまいます。
洗面台のつまりへの対処法を紹介!
つまりが起きてしまった場合、軽度のつまりであれば自分で解決することもできます。前述した、洗面台のつまりやすい3か所を確認しながら対処しましょう。
①ヘアキャッチャーの掃除
まず、ヘアキャッチャーに髪の毛などが絡まっていないかチェックします。一目でわかるため、もし髪の毛がたまっていたらすぐに取り除きましょう。フタなどで覆われている場合も、すぐに取り外せるものが多いので掃除は簡単です。指や割りばしなどでサッと取り除けば、すぐに水が流れていくでしょう。
②パイプクリーナーを使う
目視で髪の毛やゴミなどが確認できない場合は、パイプクリーナーを使いましょう。パイプクリーナーは、髪の毛やぬめり、水あかなどを溶かす強力な薬剤です。指示された通りの量を排水管に流し込み、一定時間放置して水を流すだけで終了です。
固形物を流していなければ、ほとんどのつまりはパイプクリーナーで解決できます。さまざまなメーカーから商品が販売されているので、それぞれの商品説明をよく読み、適量を守って使用しましょう。
③ラバーカップを使う
パイプクリーナーがすぐに手に入らない場合は、ラバーカップを使うという方法があります。ラバーカップは主にトイレのつまりを解消するためのアイテムですが、洗面台も使えます。カップを排水口にセットし、何度か押したり引いたりしているうちに排水管内部の髪の毛などが動き、水が流れたり汚れを吸い出したりできます。
このとき、洗面台にある水位調節用の穴をテープなどでふさいでおくのがポイントです。そのままにしていると、穴から空気が逃げてラバーカップの吸引力が弱まってしまいます。
④S字トラップ自体を掃除
何をしてもつまりが解消しないときは、S字トラップを外して直接掃除をしましょう。S字トラップはナットで固定されているので、それを緩めれば取り外すことができます。取り外すと内部の水が流れ落ちてくる可能性もあるので、事前に洗面台の下にビニールシートを敷いたりバケツを置いたりしておきましょう。取り外したら、専用のパイプブラシや歯ブラシなどを使い、内部に残った髪の毛や汚れなどを掃除していきます。きれいになったら、元通りに部品を戻して終了です。
ただしS字トラップの取り外しや取り付け、掃除は専門的な知識が必要なことも多いため、注意が必要です。ナットを取り外すのにも順番がありますし、パッキンをうまく取り付けられないと水漏れが起きて大惨事になってしまいます。必要以上の力を加えると衝撃で割れてしまうおそれもあります。時間と労力をかけて作業した結果、余計に被害を悪化させることは望ましくありません。
洗面台のつまりを日常生活で簡単に予防しよう!
洗面台のつまりは、日ごろから予防を行うことが大切です。洗面台に落ちた髪の毛を流さず、必ず取り除くようにするだけでも効果はあります。排水口に目の細かいヘアキャッチャーを設置し、細かいゴミが流れるのを防ぐのも有効です。
ただ、ヘアキャッチャーを設置していても完全に髪の毛をキャッチするのは難しいです。隙間から流れてしまい、徐々につまっていくケースもあります。つまりかけているのに気づいたら、放置せずすぐにパイプクリーナーを使いましょう。パイプクリーナーはつまりかけの状態で使っても効果があります。1~2週間に1回を目安に使用し、手遅れになる前に原因を解消してしまいましょう。
パイプクリーナーがない場合は、お酢と重曹で代用もできます。お酢に含まれるクエン酸は、水あかやぬめりの除去、臭いを抑える、雑菌の繁殖を防ぐといったさまざまな作用を持っています。クエン酸は重曹と組み合わせることでこれらの作用が強化されるため、より効果を高めたい場合は一緒に使いましょう。割合は、重曹2に対してお湯2、お酢1の分量で準備します。まずは排水口から重曹を入れます。しばらく放置した後、お酢とお湯を一緒に流し込みましょう。シュワシュワとした泡が立ちはじめ、排水管内部の洗浄が進みます。
一度つまりが発生してしまうと、解消するのが難しいこともあります。特に、S字トラップのカーブで頑固なつまりが起きれば、専門業者に頼らざるを得ないこともあります。事前に予防しておけば十分に対策できるので、日々の生活で気を付けることが大切です。
困ったときは専門業者へ依頼しよう
洗面台のつまりは、原因が何か、どこでつまりが起きているかによって必要な対処が異なります。ヘアキャッチャーのつまりのように見える範囲で簡単に対処できるケースもあれば、S字トラップの分解が必要なケースもあり、内容は実にさまざまです。S字トラップの分解は、専門知識がない人が行うと破損などのリスクも伴うためくれぐれも注意しなければなりません。
万が一破損させてしまえば、修理するために余計な時間や費用がかかってしまいます。その点、専門知識を持つプロなら正しい方法でつまりを解消してくれるため、破損させた場合と比べて時間も費用も少なくて済むケースが多いです。最初から専門業者へ依頼し、スムーズに洗面台のつまりを解消してもらいましょう。