和式トイレは自分でリフォームできる?洋式トイレにする方法とは【トイレのDIY】

ここ最近では、昔からある駅や商業施設のものでも、和式トイレを見かけることはほぼなくなりました。 しかし、昔ながらの家屋はどうでしょうか。 使用できるのだから問題ないと、建てた頃のまま、和式トイレを使っているご家庭も少なくありません。 しかし、今後自分たちが歳を重ねていくことを考えると、不便な和式トイレを洋式トイレにリフォームしたほうが、生活のしやすさが格段に上がることは間違いないでしょう。 ただ、リフォーム会社に依頼すると、やはりそれ相応の金額がかかります。 金額が足かせとなってトイレのリフォームに踏み出せない方は、ご自身でリフォームをしてみてはいかがでしょうか。 今回の記事では、和式トイレのリフォームに必要な道具や材料、リフォームを行う際の手順などを詳しくご説明します。

和式トイレと洋式トイレの構造の違い

和式トイレと洋式トイレは同じ水洗式ですが、構造に違いがあります。 大きな違いとしては、「洋式トイレのほうが流すのに多くの水が必要」ということ。 和式トイレは便器の下の排水路が水平に折りたたまれるような状態で設置されているため、流した勢いがそのまま排水路に流れていきます。 一方、洋式トイレは、便器の中に溜まっている封水と呼ばれる水の奥で、排水路がくの字型に上に向かっているため、ある程度の水を流さなければ排水路の水を押し上げられないのです。 水道代は和式トイレよりもかかるかもしれませんが、今では節水を意識した洋式トイレも多く、洋式トイレの利便性を考えると、和式トイレに固執する必要はないでしょう。 また、「和式トイレのほうが排水路が太い」という点も、和式トイレと洋式トイレの大きな違いです。 排水路の構造が違う関係で、洋式トイレは排水路の太さを制限しなければいけません。 その分、使い勝手の良いデザインを実現しているのです。

自分で和式トイレを洋式に変えることはできる?

冒頭でもお伝えしましたが、和式トイレから洋式トイレへのリフォームは、業者に依頼すると相応の金額がかかります。 最低限の出資でリフォームをするのであれば、ご自身で行うことが一番です。 そもそも自分で和式トイレを洋式トイレにリフォームできるのかと言えば、答えは「Yes.」。 電動ハンマーなど、準備するものは多少ありますが、時間をかければ素人でも和式トイレのリフォームをDIYで行うことができるのです。

和式トイレから洋式トイレにするメリット

和式トイレを洋式トイレにリフォームすることで得られるメリットは多いです。 具体的には、以下のようなメリットが考えられます。

清潔で衛生的

和式トイレでは、排泄をする際、便器と距離があるため、尿や跳ね返りで床を汚してしまうこともしばしば。 洋式トイレであれば、便座に座るため、床を汚すことは少ないものです。 この記事では触れませんが、脱臭機能などがついた機種もあるため、防臭面でも衛生的と言えるでしょう。

足腰への負担が軽減される

洋式トイレは椅子に座る感覚で使用できるため、和式トイレと比較して足腰への負担を抑えられます。 古い家で高齢の方が住んでいる家こそ、洋式トイレへのリフォームをおすすめします。

節水になる

古いタイプの洋式トイレは、先述したように流す際に多くの水が必要になります。 しかし、現在発売されている洋式トイレの中には、使用水量を「3分の1」ほどに節水できるものも。 こうした機種を利用すれば、和式トイレよりも節水になります。

和式トイレのリフォームに必要な道具や材料

和式トイレをご自身でリフォームするために必要な道具は、はつり機と呼ばれる電動ハンマーです。 また、はつり機でフラットにした地面を固めるためのモルタルも必要でしょう。モルタルを伸ばすためのコテも必要に。 排水管と給水管のルートを変更するため、塩ビ配管と塩ビエルボ(配管の屈折部分に使うジョイント)も必要です。 配管はさまざまなサイズがあるため、はつり機で基礎を壊し、配管を確認してから用意したほうが、サイズに間違いがなくて済みます。 そのほか、プラスマイナスドライバーや、便器を固定するために取り付けるナットを締め込むためのスパナなども必要になります。 タンクから便器に繋がっている排水管、給水管を外すためのパイプレンチなども用意しておきましょう。

和式トイレを洋式トイレに変える手順

道具や材料が揃ったら、さっそくリフォームに取り掛かりましょう。 具体的な手順は、以下をご確認ください。

水道の元栓を締める

作業を始める前に、水道の元栓を締めましょう。 元栓は水道メーターのところにある場合が多いので、ハンドルをしっかり締めてください。 また、元栓を締めたら、トイレの給水管に残っている水を出し切るため、水が出なくなるまでトイレを流し続けましょう。 こちらの作業をせずに給水配管を外してしまうと、残圧の関係で水が噴出し、水浸しになるため注意してください。

タンクを外す

まず、タンクの下から便器に繋がっている配管、給水管をパイプレンチなどで外してください。 この作業が終わったら、タンクの蓋を開け、壁に打ち込んであるビスを外します。

地面の解体する

タンクと配管が外れたら、はつり機で地面を解体していきます。 はつり機自体、電源を入れるとかなりの音と振動があるため、慌てずに慎重に扱いましょう。 また、作業当日までに、ご近所へ一言挨拶をしておいたほうが無難でしょう。

配管ルートを変更する

はつり機で地面をフラットにしたら、新しく据え付ける洋式便器の位置に合わせて配管を延長する作業が必要に。 塩ビ配管と塩ビエルボを使って配管を延長・変形させていきましょう。

モルタルを使って基礎を平らにする

配管工事が終わったら、地面をモルタルで平に仕上げていきます。 モルタルはバケツに適量入れ、その中に水を入れて混ぜ合わせて使いますが、水の量が多すぎるとシャバシャバになって使い物にならなくなってしまうため、様子を見ながら水を足してください。 コテと呼ばれる左官道具でモルタルを伸ばし、基礎を平らにしていきます。 この時、便器と接合するために上向きに設置した配管は埋めないように注意してください。 モルタルはある程度乾かすと小さな気泡が出てきますので、定期的に数回押さえるのが綺麗に仕上げるコツです。

便器とタンクを取り付ける

便器に付属しているゴムパッキン付きの配管部材を、地面から出ている配管に取り付けます。また、便器の前側の方に固定金具を取り付けてください。 この作業が完了したら、配管、固定金具に合わせて便器を乗せます。 タンクの裏側に黒いパッキンがあるので、便器後方の穴に合わせて乗せましょう。 最後に給水ホースを止水弁に取り付けたら、完成です。 仕上げにクッションフロア用接着剤を使い、お好みの床を貼り付けても良いでしょう。

洋式カバーを用いる方法も

さて、ここまでご自身で和式トイレを洋式トイレにリフォームする方法をご紹介しましたが、素人、特に女性が一人でリフォームするのは少し難しく感じるかもしれません。 そこで、和式トイレを手軽に洋式トイレ風にできるものがあります。 それが、洋式トイレ風の簡易カバーです。 イメージがつかない方もいらっしゃるかもしれませんが、既存の和式トイレに、洋式トイレの便座を模したカバーを被せるものです。 ただカバーを被せるだけで洋式のように座って利用することができるため、かなりお手軽。 「和式トイレにカバーを被せただけ」という見た目は仕方ありませんが、トイレにおしゃれさを求めない、とにかく手軽に洋式風にしたい、ということであれば、洋式トイレ風カバーを使うのもひとつの手です。 ただし、この洋式トイレ風カバーは、段差のある和式トイレでないと使い勝手が悪いです。 段差のある和式トイレに利用するのであれば、それこそ本物の洋式トイレのように椅子に座る感覚で利用できますが、段差のない平らな場所に和式トイレがあるのであれば、この洋式トイレ風カバーを被せても、椅子に座るというよりは、やはりしゃがむ感覚になってしまうかもしれません。 既存の和式トイレに段差がなく、かつ足腰の負担を軽減させたいのであれば、リフォームで本物の洋式トイレにしてしまったほうが良さそうです。 最近では、少し値段は上がりますが、高さのあるカバーやウォシュレット機能つきの高機能カバーなども出てきているため、ご自身でリフォームする労力やコストと比較して検討してみても良いでしょう。

費用を抑えて和式トイレを洋式トイレにリフォームしよう

和式トイレを洋式トイレにリフォームするためには、業者に依頼すると大体25万円の費用がかかります。 トイレは快適にしたいけど、そこまでの費用はかけたくない、という場合は、今回ご紹介した方法でご自身でリフォームをすることもできます。 もちろん、多くの方が素人でしょうから、業者に依頼するよりは完成に時間がかかるでしょうし、クオリティも保障はできないかもしれません。 ただ、配管の設置をしっかりと行えば、機能面で困ることはないはずです。 ここで気を付けたいのが、新しく設置する洋式トイレについて。 最新型の洋式トイレを選んでしまうと、結局業者に依頼したほうが安かった、労力だけかかってしまった、ということになりかねないため、ご自身でリフォームを行うにしても、結果的に業者に依頼することになったとしても、費用対効果を考えて選択しましょう。 仮にウォシュレットや温水機能がついていなかったとしても、和式トイレが洋式トイレになるというだけでも生活がかなり快適になることは間違いありません。 最後にご紹介した洋式トイレ風カバーなども併せて、和式トイレのリフォームを検討してみてください。

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